平成28年以降地方創生などのために、私立大学の定員が厳格化されていました。
その結果、それまで合格していた実力を持つ受験生が不合格になったり、3月末にになって合格の連絡が来るなど受験生には多大な負担がかかっていました。
この事態に対して日本私立大学連盟が意見をまとめました。
補助金など受給要件の入学定員超過率撤廃を要請 日本私立大学連盟 | 大学ジャーナルオンライン
定員厳格化による影響
定員厳格化の目的として地方創生というのは聞いたことがありました。
首都圏などの定員を絞ることにより、地方の大学へ進学する生徒が増やすという目的は達成できているのかもしれません。
しかし、首都圏などの学生が地方に行くのではなく地方の学生が首都圏いいけないという状況になっていて、首都圏の大学の多様性が失われているのでは?という懸念もあります。
そして、定員管理に関する意見 -多様で柔軟な教育プログラムを推進する合理的な定員管理- によると以下のような影響もあるようです。
入学定員の厳格化を進めるための規制強化それ自体が、“入りにく いが卒業しやすい”というわが国の大学の欠点を維持・拡大させるのではないか
合格者の最終決定に至る期間が長期化することによって、入学希望者に経済的かつ 心理的な負担を与えている実態を見過ごすことはできません。
今年度はセンターリサーチでA判定が出た、センター利用の入試で不合格がでるなどと手も厳しい入試になってしまいました。
原因は定員の厳格化だけではありませんが、大きな影響はあったと思います。
こちらのサイトの記事がとても参考になります。
Twitterなどを眺めていると、本当に3月末になって追加合格の連絡が来たという話がたくさんあって、その一方でなかなか気持ちを入れ替えることができないという声も聞かれました。
すでに他の大学に進学を決めて入学金、授業料を支払った後に行きたい大学から合格の連絡がきたらどうするでしょうか?
中には経済的な事情から泣く泣く諦める選択をした人もいると思います。考えるだけで辛いですね。
2020年の入試改革の大混乱を回避
そして、2020年の入試改革。
センター試験が廃止され新しい大学入学共通テストがはじまります。
共通テストを利用せずに受験できる私立大学も多いですが、これまた影響が大きそうです。
2020 年に導入される大学入学共通テストをはじめ各大学は入試改革に乗り出してお り、今後より一層、学部ごとの志願率、受験率、合格率や歩留まり率の予測は困難に なってくる。
受験生側の合否の予想が難しいのはもちろんのこと、大学側の予測も困難になり、このまま定員厳格化が継続されるとさらに合格者を絞って、様子を見ながら追加合格を出さざるを得ませんよね。
そうなると今以上に受験生に負担がかかるのではないでしょうか?
ただでさえ受験生に経済的な負担を強いる大学入試改革です。少しでも負担が減るような施策を切にお願いしたいですね。
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