英検協会は「各種目的に応じて求められる英検の品質についての考え方、ならびにその活用に関するガイドライン」を公表しました。
各種目的に応じて求められる英検®の品質についての考え方、ならびにその活用に関するガイドライン
英検の品質への考え方
英検は試験の品質への考え方として以下の3点を公表しました。
(A) センター試験(大学入試英語成績提供システム)で求められる品質と考え方 ―「より厳密に判定するCEFR」―
(B) 検定試験・大学入試で求められる品質と考え方 ―「入試全般、合否判定、および学習の到達度指標とする英検CSEスコア」―
(C) 模擬試験で求められる品質と考え方 ―「適切な受験級や受験校の選択、ならびにクラス分けの活用」―
今回は特に多くの受験生の関心の高い大学入学テストに関わる考え方について紹介します。
英検級・英検CSEスコアのCEFR対照表
以前文科省から出されたものよりもより詳細なCEFR対照表が公表されました。
これによりいくつかのことが分かります。
3級・準2級は満点をとってもCEFRの上位ランクは狙えない
3級だとCEFR対象となるのがA1ランクで、たとえ満点をとってもA1ランクになります。
準2級の場合は対象ランクがA1からA2で満点をとってもA2ランクになります。
CSEスコアで1700点を取れる場合3級を受験すると3級は合格してもA1ランクどまりですが、準2級を受験していれば準2級は不合格でもA2ランクをとれる可能性があります。
2級~1級は高得点を取れば上位ランクがとれる
2級合格レベルのCEFRはA2ですが、満点近い点数を取ればB2ランクを取ることもできます。
どの級も一定以下のスコアでCEFR算出外に
CSEスコアが2000点の場合
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2級を受験:2級合格・A2レベル
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準1級を受験:準1級不合格・A2レベル
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1級を受験:1級不合格・CEFR算出外
CSEのスコアが同じなら違う級を受験しても実力は同じとされていますが、CEFRに置き換えると上記のような差が生まれてきます。
試験は水物で体調等によっては思ってもみない点数を取ってしまうこともあるので、受験級は慎重に決めないといけませんね。
例えば東大の出願要件はA2レベルなので実力があってもCEFR算出外の可能性のある準1級や1級を受けずに2級を受けるというのも戦略的にありかな?と思います。
(東大だけを受験する場合)
(参考)文科省のCEFR対照表
大学入学共通テストを受験するなら英検はCSEスコアにも注目
今までは英検と言えば、ある級に合格できるかどうかが一番気になることと思います。
しかし、大学入学共通テストで英検を利用する予定があるなら、級だけでなくCSEスコアもしっかりチェックした方がいいですね。
その際、
- もっと上のランクを目指すことができる級なのか?
- CEFR算出外になる可能性はないか?
を考える必要がありそうですね。
うちの子の場合は準1級を2300点台で合格しています。
準1級は既に持っているからと1級を受験して、少し調子が悪く2200点台を取ってしまうとCEFR算出外になってしまいます。
準1級で2200点台だとB1ランクが取れるので東大を受験する場合でも出願資格がとれます。(東大の出願資格はA2ランク)
大学入学共通テストの英検、気になる点
各級で所定の点数以下になるとCEFR算定外になることはこれまで述べてきましたが、2階とも算定外になってしまったらどうなるのでしょうか?
加点であれば加点されないだけで済みますが、出願資格になっている場合は他の科目がどんなに良くできても出願さえできないということでしょうか?
そうであれば、かなり慎重に英検を受検しないといけませんね。
大学入学共通テストのための英検対策
とにかく現状の実力を確認することが大事になってきますね。
何級を受験してCSEスコアが何点取れるかを確認して本番では何級を受験するか決めないといけませんね。
筆記試験のみなら過去問を解いて大体の点数を予想することができますが、スピーキングとライティングは自己採点が非常に難しいので実際に受検して何点取れるのか確認するしかないですよね。やっぱりお金かかるな~。