---------2020年7月9日追記
e-ポートフォリオを運営していた教育情報管理機構の運営許可が取り消されました。
大学入試の新システム 運営許可取り消す方向で調整 文科省 | NHKニュース
入試に利用する大学が少なく、財政上の安定が見込めないことなどから、文部科学省が運営許可を取り消す方向で調整していることがわかりました。
財政上の問題ということですが、そもそも一人の人間の主体性を点数化して合否判定に用いる方法に無理があったかと思われます。
この機構が実際に存在していたかもいまだに疑念は晴れていません。
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高校生の細かな個人情報を登録して入試に活用するというe-ポートフォリオ。
現在「JAPAN e-Portfolio」と言うサイトに情報を入力することになっていますが、「JAPAN e-Portfolio」はどこが運営していると思いますか?
文科省?
大学入試センター?
いいえ違います。
一般社団法人教育情報管理機構が運営しています。
どのような法人なのか調べてみました。
- 一般社団法人教育情報管理機構どのような実績があるの?
- 教育情報管理機構はどこにあるの?
- 職員は何人いるの?
- ドメインはベネッセが登録者?
- e-ポートフォリオを利用するためにはベネッセIDが必要?
- プライバシーマークを取得していない?
- e-ポートフォリオ、ロゴマークの登録者
- 職場に抗議文を送りつける!?
- JePの個人情報は保護される?
- 教育情報管理機構はJePのために作られた?
- 参考になる記事
一般社団法人教育情報管理機構どのような実績があるの?
高校生の繊細な個人情報を扱う法人です。どのような実績があるのか気になりますよね?
しかし、実績については分かりません。
HPを見ても実績は特に記載されていません。
そもそも設立が
2019年4月
です。
設立とともにJAPAN e-Portfolioの運営をしています。
JAPAN e-Portfolioを運営するために作られたのかな?
教育情報管理機構はどこにあるの?
住所は公開されていますが、看板などは出されていないようです。
どこかに間借りしているのでしょうか?
教育情報管理機構はどこですか? pic.twitter.com/vte81smO8Q
— marco (@cafe_trico) January 24, 2020
1/31付の『しんぶん赤旗』がJAPAN e-ポートフォリオを運営する「教育情報管理機構」の闇を暴いています。こんないい加減な組織に全国の高校生の個人情報を渡すわけにはいきません。 文科省,しっかりしてください! pic.twitter.com/dO9EbeptDe
— 羽藤由美 (@KITspeakee) January 31, 2020
ネット上などにある機構の住所は、東京駅に近いタワービルの10階になっています。同ビルの受付を訪れてみると、10階フロアの案内板にあるのは「関西学院大学丸の内キャンパス」はじめ大学の名前など。機構の名前はどこにもありません。
シリーズ 大学入試「改革」/高校生個人情報の管理先に――ベネッセの影/公表住所に事務所存在せず
職員は何人いるの?
将来的には100万人を超える高校生の個人情報を管理する法人です。
エキスパートな職員が数多くいるでしょうね。
しかし、記事によると
もちろん常駐の職員もゼロ。事務を委託された同大学職員の数は4人。うち機構から給与をもらう専従職員は1人のみ
だそうです。しっかり管理できるのでしょうか?
シリーズ 大学入試「改革」/高校生個人情報の管理先に――ベネッセの影/公表住所に事務所存在せず
ドメインはベネッセが登録者?
JAPAN e-PortfolioのHPのドメインは「jep.jp」このドメインの登録者が問題です。
JePのドメイン情報もこんな感じです。 pic.twitter.com/kK4AlxpyCI
— 吉田弘幸 (@y__hiroyuki) January 25, 2020
現在は一般社団法人教育情報管理機構に変更済みです。
e-ポートフォリオを利用するためにはベネッセIDが必要?
e-ポートフォリオを利用するためにはIDの取得が必要です。
そのIDがなぜか民間企業のものとなっています。
西日本新聞の記事では触れられていませんが、このID取得のためには同社の模試などを受験するか、同社に「学校名、氏名、クラス、出席番号、誕生日」を提供する必要があります。 https://t.co/vkAPxrHF56 pic.twitter.com/Dl64cmjlHy
— 炮筒子 (@paotongzi) January 20, 2020
上記の記事はとても分かりやすいですが、1点大きな誤りがあります。
記録サイトを活用する大学数は年々増えており、公的な役割が高まっている
と書かれていますが、実態は以下のようです
e-Portfolioはよろしくないシステムです。
— 黒会社高校教諭【免疫力低下中】 (@kurokouT) January 14, 2020
なので大学も使えないと判断したのか参画大学は急激に減少しています(昨年100校オーバー、今年30校)。
不安だというツイートが他者に不安を与えているように感じますのでデータを貼っておきます。
現場からは以上です。#eポートフォリオ pic.twitter.com/05CJVFSAsO
さすがにこれはおかしいと萩生田大臣も見直しを表明しました。
萩生田大臣が、ベネッセのIDがなければ利用できないJAPAN e-Portfolioについて見直しを表明しましたが、一般入試に主体性評価も持ち込む路線はすすめると。主体性を点数で評価などできないと思うのですが。 https://t.co/b5MKxEaucm
— 宮本徹 (@miyamototooru) February 7, 2020
教育情報管理機構からも見直し関する発表がありました。
2020年2月7日
利用者のなりすましを防ぎ、高校の先生方の異動等による変更を管理するため、民間事業者のID管理システムを借用しておりましたが、2021年4月1日より新たなID管理システムに移行する予定です。詳細については改めてお知らせ致します。
しっかり準備ができてから運営を始めて欲しいものです。
プライバシーマークを取得していない?
運営認可要件としてプライバシーマークの取得があるようですが、教育情報管理機構では取得していません。
運営認可要件であるプライバシーマークを取得しておらず、文科省も承知とのこと。
— 炮筒子 (@paotongzi) January 31, 2020
JePのHPによれば運営サポートのベネッセが取得しているとのこと。
これまでベネッセありきではないと述べていたが、
上の通りであれば規約違反。
ベネッセのプライバシーマークが根拠ならこれまでの発言は詭弁。 https://t.co/xlCzaACJS2 pic.twitter.com/iq7X7JbXpn
e-ポートフォリオ、ロゴマークの登録者
e-ポートフォリオにはロゴマークがありHPでも公開されています。
じつはこのロゴマークは商標登録されています。
登録者は「ベネッセコーポレーション」です。
なんでもともと文科省主導で作られてe-ポートフォリオの商標登録を民間企業が行ったのでしょうか?
出願日は2017年9月28日です。
Japan e-Portfolioのロゴマーク、株式会社ベネッセコーポレーションが商標登録をしている。
— かぴ (@satumatuba) February 3, 2020
それでいいのか?#一般社団法人教育情報管理機構#大学入試改革#ポートフォリオ pic.twitter.com/3HjOuCrPMb
職場に抗議文を送りつける!?
Twitterで機構のおかしな点をしてきしていたところ、一教員の職場に抗議文が送りつけられました。
Twitterでは本名はもちろん職場も公開していません。どのように個人情報を手に入れたのでしょうか?
しかも、わざわざ勤務先に送り付ける意図はどのようなものなのでしょうか?
抗議文を公開します。
— 炮筒子 (@paotongzi) January 13, 2020
なお勤務先と私の名前の部分は差し控えさせて頂きます。
今後、何かありましたらお力添えのほど宜しくお願い申し上げます。
公教育是正のため、皆様の声が必要です。またこのような入試改革反対緊急声明に賛同下さる方はご協力下さい!https://t.co/iRlsZgqpgz https://t.co/U0pgKrMh3t pic.twitter.com/KcykERyqIm
このブログの記載で間違っている点があったらいきなり抗議文を送りつけないで、お問い合わせからご連絡くださいね。
JePの個人情報は保護される?
JePでは個人情報について
『「JAPAN e-Portfolio」(以下、「JeP」という。)が所有するデータ等」』とは「JAPAN e-Portfolio」の入力項目などシステム本体の情報を指します。生徒が「JAPAN e-Portforio」に入力し、蓄積された個人情報は、一切共有されることはありません。
としています。
しかし、そもそもe-ポートフォリオをclassiを利用して入力している高校はありませんか?
classiの規約を見てみると生徒はもちろんのこと高校の先生の個人情報も利用すると書かれています。
JAPAN eポートフォリオに連携するアプリに入力される個人情報ですが、例えばClassiでは、アプリに入力した個人情報は企業が事業に利用できることになってるんですよね。
— ヤギュウハジメ (@hayagyu) February 11, 2020
ここは盲点です。各社アプリの蓄積情報の利用は何ら制限されていないわけで、JePだけを規制しても意味がないのです。 https://t.co/dk8fMMuFCr pic.twitter.com/oFMKSxHtS8
結局は、民間企業に個人情報を提供し、その情報を営業活動に利用することに同意しないとe-ポートフォリオを利用できません。
教育情報管理機構はJePのために作られた?
萩生田大臣自身が教育情報管理機構がJePのために作られた法人であることを認めています。
文科大臣定例会見(11分20頃)
— 炮筒子 (@paotongzi) February 21, 2020
大臣「せっかく一般社団法人の教育情報管理機構を『作りましたので』」
「作った」とのことですが文科省HPでは「運営を希望する非営利組織からの申請が、運営許可要件を満たす場合に~許可」とあります。つまり出来レースと認めたわけですね。 https://t.co/wQqoaoEGqp pic.twitter.com/tGQEqIbmW0
参考になる記事
また、こちらのTweetで主体性評価の危険性がよく分かります。
【主体性評価の悪夢】
— 三城 俊一/みきしゅんいち@「図解 東アジアの歴史」(SBビジュアル新書)発売中 (@T_Morlie) January 19, 2020
英語民間試験、記述式と並ぶ大学入試改革の柱である「主体性評価」。既に導入が始まっているにもかかわらず、その実態は知られていません。
「主体性評価とは何が問題か?」を漫画で解説しました!作画は▽カミヤスリ(@gyakusan_yasuri)さんにお願いしました。#拡散希望 pic.twitter.com/npKaaJLBMH
主体性評価についてはこちらの記事も必見です。