11月に英語民間試験が延期に、12月には共通テストの記述式問題が見送りになりました。
一体この入試改革はなんだったんだ!?と思わざるを得ない惨状となっています。
このようなことが2度と起こらないように入試改革を推し進めた政治家の皆さんと文科省には本気で反省して欲しいものです。
2020年度の入試改革と言えば
- 英語民間試験の活用
- 記述式問題の導入
- 主体性評価
あたりがポイントだったと思いますが、そういえばeポートフォリオってどうなっているんだっけ?と思い調べてみました。
eポートフォリオとは?
そもそもeポートフォリオってなんなんだ?という話になります。
誰が運営しているの?
現在
このようなポータルサイトを一般社団法人教育情報管理機構が運営し、株式会社ベネッセコーポレーションが運営サポートをしています。
eポートフォリオを利用している高校生でもこのサイトはあまり見たことがないと思います。
実際の運用は民間企業のサービスを通じて有料で行っているのが現状です。
eポートフォリオは何ができるの?
eポートフォリオのポータルサイトによると
JAPAN e-Portfolio|「JAPAN e-Portfolio」とは?
eポートフォリオとは高校生が
- 自分の活動成果や学びを記録
- 活動成果や学びを振り返る
- 蓄積した「学びのデータ」を、大学へ提出
というような活動ができるそうです。
eポートフォリオの対象は高校生だけ?
「大学へ提出」というところから大学受験にも活用するようですが、大学を受験するのは高校生だけはないですよね?
どうするのでしょうか?
昨年の記事にはなりますが、こちらの記事によると
「高校卒業認定や通信制高校を卒業した受験生に対して、調査書に関しての特別なフォローは考えていません」(文部科学省高等教育局大学振興課大学入試室)
とのことです。英語民間試験と同じように高校生以外のフォローを全くしようとしていませんね。
実際は高校生以外でもeポートフォリオを利用することはできるようですが、承認してくれる教師がいないのでどれだけ参考にできるかは疑問が残ります。
学校の成績や活動を入力することができないので不利になることは間違いないですね。
eポートフォリオは有料?無料?
もともとeポートフォリオのポータルサイトを利用すれば無料でした。
過去形になっているのは現在は無料という情報がどこにも書かれていないためです。
先ほども紹介した2018年10月に書かれたこちらの記事によると
実は「eポートフォリオ」には、無料版と有料版がある。無料で代表的なものは「JAPAN e-Portfolio」。
無料で使用できるのが利点だが、しかし、委託期間は来年3月末までとなっていて、その後運営がどういう形で、どこに引き継がれていくかは、まだ決まっていない。ずっと無料で続けるのかも、現時点ではわからない。
とのことです。
運営団体とサポートが2019年4月から一般社団法人教育情報管理機構・株式会社ベネッセコーポレーションに変更になって無料で利用できるかどうかも怪しくなってしまいました。
令和2年度にeポートフォリオを活用する大学は?
ここまで書いてみてeポートフォリオには問題が多いことがお分かりいただけたかと思います。
では、こんなeポートフォリオを入試で使う大学はあるのでしょうか?
令和2年度にeポートフォリオを合否に使う大学は国立2校・私立15校
ポータルサイトで令和2年度にeポートフォリオを大学入試選抜に活用する大学が発表されています。
https://jep.jp/EPortfolio/statics/JeP_nyushi2020_20191213.pdf
国立大学
- 大阪教育大学
- 神戸大学
私立大学
- 城西大学
- 日本工業大学
- 千葉商科大学
- 昭和女子大学
- 東洋学園大学
- 岐阜淑徳学園大学
- 名古屋芸術大学
- 皇學館大学
- 同志社大学
- 立命館大学
- 関西大学
- 関西学院大学
- 甲南女子大学
- 九州共立大学
- 城西短期大学
推薦入試で活用するパターンが多いようですが一般入試でも活用されます。
上記の大学を志望する場合はしっかりと選抜方法を確認した方がいいですね。
入試選抜には利用しないが、合格後に参考情報・統計データとして活用 する大学も7校あります。
eポートフォリオは積極的に活用されるの?
これからのことは分かりませんが、これまでのことを振り返ってみると2018年11月にはeポートフォリオを活用予定の大学が119校(うち国立大学15校)あったようです。
残念ながら資料は現在削除されていて見ることができません。
詳しくはこちら
→大学入試でeポートフォリオを活用する大学は?既に2021年に利用しないことを表明した大学も
100校以上が活用予定であったものが20校前後に減ってしまったということはこのeポートフォリオもあまりうまくいっていないと考えることができます。
e-Portfolioはよろしくないシステムです。
— 黒会社高校教諭【間もなくセンター試験】 (@kurokouT) January 14, 2020
なので大学も使えないと判断したのか参画大学は急激に減少しています(昨年100校オーバー、今年30校)。
不安だというツイートが他者に不安を与えているように感じますのでデータを貼っておきます。
現場からは以上です。#eポートフォリオ pic.twitter.com/05CJVFSAsO
eポートフォリオまとめ
私の正直な気持ちとしてはeポートフォリオやめようよ。という感じです。
主体性を評価するなら推薦入試でいいじゃないですか?
大学受験をする60万人に同じフォーマットのeポートフォリオを課すのは無理ですよ。
うちの子の学校ではやってませんし。
知り合いの子の高校では年に数千円払ってやっているようですが、時間ばかりかかると不満を言っていました。
承認作業をする先生の負担もかなりのものだと思います。
もう少し余裕のある高校生活を送らせてください、文科省の皆さん!
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