前回の記事では国公立大学の推薦入試(総合選抜・学校推薦型選抜)に出願するためにはいつまでに英語民間試験を受ければいいのか?ということについて調べてみました。
総合型選抜と学校推薦型選抜では受ける時期が違う、民間試験ごとに日程が違いまだ発表されていない英語民間試験団体もあることが分かりました。(要するにに今の時点でははっきり決まっていないということです。)
そして国公立大学の推薦入試を調べていくうちに、共通IDを利用した共通テストの英語民間試験が必須な場合とそうでない場合があることが分かりました。
いくつか例を挙げて紹介します。
推薦入試の共通テストの英語民間試験活用方法
一般入試(一般選抜)では多くの国公立大学で共通テストの英語民間試験が活用されます。(一部の大学では必要ありません。詳しくはこちら→各国公立大学の共通テスト英語民間試験導入状況)
しかし、その活用方法は大学により学部により千差万別なので自分の志望校に合わせた対策(志望校が変わることも考慮に入れて)をしなければなりません。
推薦入試はというとさらに各大学により対応はバラバラです。
共通テストの英語民間試験必須
共通テストの英語民間試験を総合型選抜・学校推薦型選抜で必須とする大学の例を見てみます。
東京工業大学
英語の「民間の資格・検定4技能試験」については、一般選抜、総合型選抜、学校推薦型選抜の出願資格として利用します。
東京工業大学の総合型選抜・学校推薦型選抜では共通テストの英語民間試験が利用されるので、共通IDを取得して高3の4月から英語民間試験を受ける必要があります。
共通テストの英語民間試験利用は学部によりバラバラ
次に紹介するのは英語民間試験を利用するが、学部により共通テストの英語民間試験だったり通常の英語民間試験だったりと利用法がバラバラな大学の例です。
大阪大学
学部により共通テストの英語民民間試験を利用する場合と学部が指定する英語民間試験を利用する場合があります。
学部が指定する英語民間試験は同じ英検でも学部により新方式か従来方式も含まれるか分かれるのに慎重に確認が必要です。
理学部
共通テストの英語民間試験でA2以上が出願資格。
これはすっきりして分かりやすいですね。共通IDを取って期日までに英語民間試験を受ければOKです。
人間科学部
共通テストの英語民間試験は課しません。
ただし、
共通テストの英語民間試験と同種同名の検定のB1以上のスコアの提出が必要になります。出願の初日から遡って2年以内に取得したものに限ります。
2年以内に取得したものでOKということなら高2で取得した検定も使えるので余裕がありますね。
ただし、
英検は新方式、GTECは2020年度以降実施分、または2019年以前実施分はGTEC-CBTのみ。
このような条件があるので、高2の試験結果を利用するためのハードルが一気に上がってしまいますね。英検・GTECを利用するなら結局は高3の4月以降受験する必要があります。
文学部
共通テストの英語民間試験でA2以上が出願資格。
ただし、救済措置があります。
共通テストの英語民間試験と同種同名の検定のA2以上のスコアが提出できればOK。スコアは高校在学時のものならOKです。
文学部も英検とGTECに関しては「英検は新方式、GTECは2020年度以降実施分、または2019年以前実施分はGTEC-CBTのみ。」という条件があります。
同じ大学内でも学部によって取り扱いが違うので注意が必要ですね。
注意)大阪大学ではこのような情報がありました。
7月末の大阪大学の入試セミナーの中で、大阪大学のAO(総合型選抜).推薦(学校推薦型)でも、外部試験を出願資格にする学部が多いが、急いで出願に間に合うA期間やB期間で外部試験を受けなくて良い。共通テストを課して合否最終判定をするので、それに間に合うC期間でも良い。との説明がありました。
— yoshiです (@yoshiding) August 22, 2019
阪大は推薦入試に共通テストとともに総合判断するのでC期間でも間に合うとのことです。こちらも大学・学部によって扱いに違いがあると思うので気を付けましょう。
推薦入試の英語民間試験は共通テストのものでなくてOK
共通テストの英語民か試験でなくてもOKな例を紹介します。
といってもはっきり共通テストの英語民間試験でなくても良いと書かれていないので、実際に受験を検討される際には大学に問い合わせをお願いいたします。
注)入試英語ポータルサイトによると成績提供システム必要ないようです。
一橋大学
上記の資料によると一般選抜では共通テストの英語民間試験を利用するとなっています。
また、学校推薦型選抜の自己推薦書には書類を添付する欄があるためおそらく通常の民間試験を受験してその結果書類を添付すればOKだと思われます。
そもそも英検を利用する場合の出願要件は1級なので実質従来方式しか利用できません。(詳しくはこちら→【注意】2020共通テストの英検は吹き込み式のみ。面接方式のテストは行われません。)
新方式は今のところ1級の受験ができないので出願資格が得られません。
共通テストのシステム経由でもそうでなくてもどちらでもよい
国公立大学でも推薦入試でもないので番外編になります。
早稲田大学政治経済学部
早稲田大学の政治経済学部は共通テストを全面的に利用したり、英語民間試験を加点で利用したりと入試改革に積極的です。(詳しくはこちら→早稲田大学政治経済学部の入試改革がすごい!? )
2021年度入学者のための入試から実施する入試改革について(英語外部検定試験の取り扱い方法などを公開しました) – 早稲田大学 政治経済学部
その英語民間試験ですが、「大学入試英語成績提供システム 」に参加する全ての英語外部検定試験が対象です。ただし
同シ ステム経由でなくとも、各試験実施機関から受験生を介さず直接当学に提供される成績データに限り、2019 年2⽉以降に受験した試験のスコアでも利⽤できることとします。
ということで、高2で受検した検定結果も利用できます。
共通テストの英語民間試験を使ってもいいし、通常の英語民間試験を使ってもいいということです。大阪大学の文学部は基本共通テスト版を利用するのに対し、早稲田大学政治経済学部ではどちらでもいいというスタンスのようです。
とはいえ通常の英検や学校で受けたGTECは対象外なのでなかなか難しいですね。
早稲田大学の政治経済学部が第一志望ならTEAPあたりで高加点を狙うのもありかな?
一方、商学部は「英語4技能テスト利用型」の入試で従来型の英検が利用できます。
本当に複雑ですね。
※TOEICは利用できなくなりました。
推薦入試の共通テストの英語民間試験活用方法まとめ
いくつかの大学の推薦入試を見てみましたが本当に複雑です。特に共通テスト版の英語民間試験を利用する場合はかなりチャンスが限られるので、しっかり申し込みをして期日までに必ず受験できるよう手続きしましょう。
大学によって大学により「共通テストの枠組みの英語民間試験」・「大学入試英語成績提供システムに参加する英語外部試験」・「共通IDを利用する英語民間試験」・「新方式の英検」などと微妙に違う言葉を使っているところも混乱する理由の一つですね。
英検一つをとっても、どの英検が対象なのか?いつ受けた英検が対象なのか?しっかり確認しないといけません。
うーーん、気が重い!
Twitterで質問箱を設置してみました。
質問箱開設しました。
— クリスマスローズ (@educationmama3) July 7, 2019
何か質問があればどうぞ。
大学入試改革について受験生の保護者として質問に答えます。
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これまで回答した質問はこちらです。本当に悩ましいですね・・・
ご質問ありがとうございます。
— クリスマスローズ (@educationmama3) July 8, 2019
まず、英検受検に関する認識はすべて正しいと思います。
来年度の英語民間試験を英検で受験予定であれば今年度の入試の合否に関わらず…
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