前回の記事(→中学校でかかった教育費(一貫校の想定外な出費編) )で、早稲田大学が2021年度(現高1受験時)から出願の際「経験」を記入するように入試制度を変更するということを書きました。
大学のHPを見てみたら、それ以外にも大きな変更があり驚きました。中でも早稲田大学の看板学部、政治経済学部の個人的な驚きポイントを紹介します。
早稲田大学のHPを参考にしましたよ。
早稲田大学商学部の入試改革についてはこちら
→早稲田大学商学部2021年年度の入試改革【英語外部試験に注意が必要】
早稲田大学の入試についてもっと詳しく
早稲田大学政治経済学部では 一般入試より推薦入試!?
まずは、一般入試での募集定員の変更です。2021年度 政治経済学部 一般入試改革として一般入試の募集人員を変更しています。
300名(政治学科100名、経済学科140名、国際政治経済学科60名)とします。 ※従来450名(政治学科150名、経済学科200名、国際政治経済学科100名)
そして、大学入学共通テストを利用した募集定員も変更があります。
募集人員を50名(政 治15名、経済25名、国際10名)に変更します。 ※従来75名(政治学科25名、経済学科35名、国際政治経済学科15名)
いわゆる学力検査(一般入試)で入学できる定員が525名から350名に変更されました。ものすごく減っていませんか!?
次に学部全体の募集定員を下記のサイトで調べてみました。
学科・定員
計900 政治300 , 経済400 , 国際政治経済200
この数字をもとに一般入試以外で入学する人数を計算してみました。簡単な引き算です。
900(学部定員)-350(一般入試募集定員)
=550(一般入試以外の入学者)
550人が一般入試以外の選考方法(AOや指定校推薦など?)で入学できるようになるんですね。
半数なんてもんじゃないですね。約60%がいわゆる推薦入試ですよ。
すごい人数です。このままいくと一般入試の難易度はめちゃくちゃ上がりそうですね。もしかしたら東大合格、早稲田不合格なんていうパターンが多くみられるかもしれませんね。
大学入学テストと英語外部検定試験を利用
入試の内容にも驚きましたよ。細かい内容は割愛しますが、
大学入学共通テスト(100点)
英語外部検定試験および学部独自試験(100点)
計200点
英語外部検定試験の割合は全体の15%程度とのことですから、独自の出題問題の割合は35%で大学入学共通テストと英語外部試験で65%(200点満点中130点)ということになりますね。
まだまだ、不透明な要素の入試方法をこんなに高い割合で取り入れるなんて驚きです。何か意図があるのでしょうか?
私学の雄ともいわれていると思いますが、学校外の試験に選考の大部分を頼るなんてちょっと驚きですね。
国立大学志願者が有利?
前述の共通テストと英語外部試験に重きを置いた試験内容になったことを考えると、国立大学を受験する層が有利ではないでしょうか?
以前は大学独自の試験を3教科だったので、早稲田大学の過去問などに時間をかけないと合格が難しかったと思うのですが、今後は英語外部試験を含めた大学共通テストの対策+学部独自試験の対策になりそうですね。
もともと大学入学共通テストと英語外部試験の対策をするであろう国立大学志願者に有利と言えるのではないでしょうか?
超難関国立大学志望の学生が負担も少なく、以前のセンター利用より募集人数も多いので早稲田政経を併願という構図が出来上がってきそうですね。
数学が必須に
これまでは選択科目だった数学が必須となります。大学入学共通テストで数学ⅠAが必要となります。
早稲田大学政治経済学部が欲しい学生とは?
ここまで見てくると早稲田大学の政治経済学部が欲しい学像が浮かび上がってきます。
推薦入試をクリアできる(多様な経験を持つ)学生
超難関国立大学を受験する学力のある学生
どのような推薦入試でどれくらいの人数が入学するのか、調べてもわからなかったのですが、早稲田大学を第一希望とする学生を早めに確保したうえでたとえ滑り止めでも学力が極めて高い学生が欲しいということでしょうかね?
私立大学のみ一般受験で早稲田大学の政経をを第一志望にするのが難しくなったように感じますね。東大ではなく早稲田に行きたいという学生をもっと大切にしてもいい気がするのですが、そういう学生は推薦で入ってねということなのでしょうか。
他の大学への影響
英語外部検定試験に関しては東大が合否にしないと発表していたのにそれをすぐに覆す(→東大、英語民間試験を合否判定に使うってよ )など少し混乱している印象があり、まだ多くの大学で活用方法が定まっていないのにこの早稲田大学の発表です。
うちの息子はおそらく早稲田大学は受けないと思うので(とても良い大学だとは思うのですが、学力的にも金銭面でも厳しいため)、関係ないと考えることもできます。
しかし、やはり日本の代表的な早稲田大学のこの一般入試から推薦入試に入学人数をシフト、英語外部検定試験・大学入学共通テストの採用の決定は他の大学への影響は必至ですよね。
国立大学に必須の共通テストが英語外部試験を含めて不透明な部分が多いのに、それに加えて私立大学も入試方法の変更をしているので本当に自分たちがどのような入試方法で受験するのかよくわからず、科目選択なども難しくなりますね。はー。
教育関係の仕事をされている陵坂さんも鋭い分析をしているのでぜひこちらもご覧くださいね。
早稲田政経の入試改革は数学よりも英語改革だよ - RYOSAKASANTO