様々な大学が2020年度の入試方法を発表しています。
中でも英語民間試験の活用方法はとても気になるので、一覧にまとめています。
先日福島大学が英語民間試験を導入するにあたり、加点の具体的な方法を発表し、個人的にとても驚きました。
今回は福島大学と同じように英語民間試験を加点で利用する静岡大学を紹介します。
加点するにあたり、福島大学と点数がかなり違うようです。
加点方式と言っても大学によっては加点される点数に差があるようなので、受験する際はしっかりと情報を集める必要がありますね。
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静岡大学の2021年度の入試
英語民間試験を加点方式で利用する
静岡大学のHPで
が発表されています。
資料によると静岡大学は英語民間試験のCEFRにより最大50点加算するようですね。
50点ですよ!これはかなり大きいです。
しかし、この50点を取るのはかなり難しく感じますね。
加点される点数は次の通りです。
C2:50点
C1 : 40 点
B2 :32点
B1: 24点
A2 :16点
A1 :8 点
大学入学共通テストは高校の学習指導要領の範囲を超えてもいいの?
CEFRのC2といったら英検で言うと大学上級の1級のを超えたレベルになります。
大学入試で大学上級のレベルまでが範囲になる試験を利用することにも違和感がありますし、それが加点されるのも一般入試としては疑問が残りますね。
例えばセンター試験などは高校の学習指導要領の範囲内で作問がされていて、大学レベルの問題は出ませんよね?
数学の能力が極めて高く大学レベルの数学も理解できる生徒なら一般入試ではなく推薦入試を利用すると思います。
この民間試験を加点に利用すると一般入試なのに高校レベルをはるかに超えた能力まで加点の対象となりますが、他の教科との整合性は取れるのでしょうか?
C2レベルに対する配慮
また、C2のレベルの対象となる英語民間試験はケンブリッジ英検(受験料25380円)・IELTS(受験料25380円・パスポート必須)のみとなっています。会場が多いとは言い難い試験のため次のような配慮がされるようです。
C2水準をもつ志願者のうち,以下の条件を満たす志願者は,本学個別学力検査の検定料を全額免除し ます。
・ C2水準 を測定し 得る英 語認定試 験が,居 住する 都道府県 において 当該年 度内に一 度も開催 されず , 止むを得ず他都道府県において受験した者
この配慮も正直、微妙な感じがします。
例えば東京には会場がありますが、東京の諸島部だと都内に会場があるから対象にならない?北海道の場合は?など疑問がいくつも湧き上がっています。
ケンブリッジ英語検定は河合塾などが会場となっていて、河合塾の塾生は割引価格で受験できます。このあたりもモヤモヤしてしまいます。
大幅な加点を目指して上のレベルと目指すと、受検料の壁にもぶち当たります。
一般的に上級の級の方が受験料が高くなるんですよね。
点数が欲しければ金払え!ってことですね。
詳しくはコチラに書いています。
大学入学共通テストを英語以外で受験する場合
大学入学共通テストの外国語には英語以外の言語も選択できますが、英語以外を選択した場合の英語民間試験はどうなるのかも発表されました。
英語以外の言語で大学入学共通テストを受験した場合は
英語認定試験の受験を課します
フランス語を選択しても、中国語を選択しても、英語の民間試験を受けないといけないんですね。
但し,CEFR との対応が公表されている 検定試験(英語以外の外国語)を受験した志願者については,そのスコアを証明する書類を本学に提出 することによって認定試験の代替とし,その CEFR 水準による加点を行います。
他の外国語の検定がCEFRに対応しているものが多いのか少ないのか分かりませんが、一応救済策もあるようです。
救済措置がある可能性も?
英語の民間試験に関しては次のような追記もあります。
上記の内容は,2020 年度において,大学入試英語成績提供システムが問題なく運用され,且つ 英語認定試験が公正な実施形態で滞りなく実施されている状態であることを前提としています。それと 相違する状態となった場合には,状況に応じて,救済措置等を講じる可能性があります。
英語民間試験が滞りなく実施されなかった場合に救済措置後講じる可能性について示唆されています。
しかし、受験生としては救済されるかされないかはその場にならないと分かりませんよね?
これでは安心して受験ができないです。
滞りなく実施できない可能性がある民間試験は利用しないか、影響が最小限になる利用方法にして欲しかったですね。
大学入学共通テストの「国語」記述問題
本学は,国語の記述式問題の段階別に表示された成績を,点数化してマークシート式の得点に加点し て活用します。加点する最高点の,マークシート式の得点と合わせた国語全体の満点に占める割合は, 全体の問題数,構成,試験時間等が明らかになり次第,それらを勘案して決定します
とのことです。
記述問題も点数化して合否に利用するようです。
2122年度以降の入学選抜
場合によっては得点調整がされるそうです。
そして、最後の一文に怒りを覚えるのは私だけでしょうか?
志願者のみな さんにおかれましては,専ら英語認定試験への対策に特化した学習ではなく,真の英語力を身につける 学習を進められるよう,願っています。
「25380円のケンブリッジ英検を受けてC2ランクになったら50点加点ね!」
と言っておいて、
英語民間試験への対策に特化して学習ではなく真の英語力を
って、どういうこと!?
静岡大学の考える真の英語力ってなんなんでしょう?
大学入試の相談会があったらぜひ聞いてみたいものです。
静岡大学の入試まとめ
ちょっと批判的なことを書いてしまいましたが、大学の関係者は受験生の負担のことを考えているのかな?と本気で考えてしまいますね。
入試なので本気で合格したいとみんな願っています。そのために民間試験で加点されるならできるだけのことはしたいと考えるはずです。
その民間試験の受験が対策にも金銭面でのこれほどの負担がかかることをもう一度考えて欲しいものです。
英語民間試験を利用しないと決めた東北大学の利用しない理由を静岡大学の関係者にも読んで欲しいです。
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