昨日すでに、報道機関から、東京大学が2020年からの大学入学共通テストの英語民間試験を受験生に義務付けないというニュースが報じられました。
今後、東大から正式なアナウンスがあるだろうと思っていましたが出ましたね!
その内容が素晴らしすぎて驚いています。
関心のある方はぜひ東京大学のHPを直接見ていただきたいのですが、その内容をブログの中で少し紹介したいと思います。
2020年度(2021年度入学者選抜)以降における入学者選抜方法の検討について | 東京大学
PDF→https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400099890.pdf
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他の大学の英語民間試験の導入状況もまとめています。
2021 年度東京大学一般入試における出願要件の追加について
【1】基本方針
まず、出願の条件として以下のものを提出としました。出願条件にはするが合否の選考には使わないとのことです。
(1) 大学入試センターによって「大学入試英語成績提供システム」の参加要件を満たすと確認された民間の英語試験(以下、「認定試験」と言う。)の成績(ただし、CEFR の対照表で A2 レベル1以上に相当するもの) 。
(2) CEFR の A2 レベル以上に相当する英語力があると認められることが明記されてい る調査書等、高等学校2による証明書類。
(3) 何らかの理由で上記(1)(2)のいずれも提出できない者は、その事情を明記した 理由書。
民間試験を受けたならばそれを使ってもいいし、使わないなら高校で調査書を書いてくれればいいとのことですね。
それらが難しい場合の配慮もされています。
【2】出願要件追加の理由と趣旨
1.東京大学への出願にあたって要望される英語力
出願に必要な英語力としてCEFRA2レベルを目安とするそうです。
2.認定試験の活用について
認定試験の問題点が挙げられています。
公平・公正という観点からも実施の観点からも、この施策にはなお多くの課題が未解決のまま残されており、残念ながら受験生が安心して受けられる体制が整っているとは言えません。特に、これまでの大学入試センター試験の経験や TOEFLの海外でのトラブ ル等を考えれば、英語認定試験においても実施段階でさまざまな問題が生じることは十分 予測されますが、そうした場合に大学入試全体を統括すべき文部科学省や大学入試センタ ーがどのような責任体制をとり、受験生の保護という観点からどのような対応策をとるの かは、今もって明確にされていない状況です5。
正直、ここまで踏み込んでくれたのか!と驚きました。そして特に
受験生が安心して受けられる体制
ということに言及してくれることは嬉しいですね。ここまで全く安心して受験できる気がしませんでしたから。
また、文科大臣と東大総長が直接話をする場を設けて、諸課題を検討する場を設置する約束を取り付けたそうです。
3.高等学校の調査書等の活用について
出願条件として高等学校の調査書を活用する理由を述べています。
個々の受験生の英語力についていちばん正確に把握しているのは、 高等学校の現場で日常的に指導にあたっている先生方でしょう。従ってその判断は、緊張 を強いられる特殊状況で実施される限られた回数のテスト結果よりも、一般的に信頼度は 高いと考えられます。
基本的に内申書には反対の立場なのですが、こう言われると確かにそうだと思わずにいられません。正確な英語力を把握するという点に関して高校の先生は少しプレッシャーがかかるかもしれませんが、普段の授業の中でしっかりと評価していただきたいですね。
この方法であれば、家庭 の経済状態や居住地、あるいは何らかの障害等で不利益を被ることなく、本学への出願資 格を証明することが可能になります。
いままでの文科省や国大協ではこのような視点がすっぽりと抜けていたように感じます。
4.例外措置について
複雑なシステムにはどうしても例外が発生してしまいますが、例外にもしっかり対応するという姿勢を見せています。
そういえば、大学入学共通テストを英語以外の言語で受験する場合の扱いって決まっていましたっけ?東京大学なら問題なく出願可能だとのことです。
5.今後の検討に向けて
2020年以降に関しては協議の場に東京大学も積極的に参加して、検討を重ねていくとのことです。
東京大学の記者会見と文科省の反応
東大:「民間試験必須とせず」発表 高校教員から歓迎の声 - 毎日新聞
東京大が会見と文科省の山田泰造・大学入試室長の反応の記事ですが文科省のはんのを引用します。
民間試験を使うかどうかは大学が判断すること。文科省としては4技能評価が目的であって、大学入試センターの英語成績提供システムの利用を求めているわけではない。
え?そうでしたっけ????
高校の調査書で4技能を評価できるのかについては注視したい
文科省の人がそれを言っちゃうの?文科省が、調査書ってあまり当てにできないって思ってるってこと????
東京大学学長の考え
こちらのサイトを見ると東京大学がなぜ英語民間試験を義務付けなかったのかがよくわかります。
→異見交論56 「東大が高大接続改革の扉を開く」五神 真氏(東京大学学長) : 異見交論 : 大学の実力 : 読売教育ネットワーク
英語の4技能にも英語の民間試験の導入にも完全に反対しているわけではないが、問題が多い中それを振り切って、受験生全員に課すのはいかがなものか?ということですね。
また、英語民間試験を利用する受験生のために文科大臣に働きかけもしています。
ミスやトラブルが起きた際その責任は民間業者にあるという文科省の文書に対し、文科省や大学入試センターが責任を持つべきとの申し入れをしました。
民間業者のミスで不合格になった場合、文科省や大学入試センターが責任を持たないと繰り上げ合格などの措置ができないですよね。
東京大学のまとめ
思った以上に受験生のことを考えた発表だったことに嬉しく思いました。
それ以前の方針が4技能!4技能!ばかりで受験生が置いてきぼりにされていたのでなおさらですね。
東京大学を受験するのであれば英検にするか?GTECにするか?2年生ではどの試験を受ければ対象になるのか?など余計なことに悩まされずに済みますね。
大事なのでもう一度言います。
東京大学を受験するのであれば
です。うーーーーーーん。ということは他の大学を受験する場合はまだまだ苦悩は続くのですね。
息子よ!東京大学を受験しないかい?
無理!
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